80代の親と50代の「ひきこもり」の子どもが社会から孤立する

「8050問題」が、新たな社会問題としてクローズアップされています。

 ※「はちまるごーまるもんだい」と読みます。


私の住む札幌において今年1月、

中央区のアパートの一室で、二人暮らしの母(82歳)と娘(52歳)の遺体が見つかりました。

警察の調べでは、

先に母が亡くなり、一人になった娘は誰にも気付かれず衰弱死したとみられています。

娘は長年引きこもり状態であり、誰にも相談できなかったのでしょう。

親子二人暮らしでありながら、

発見されたのは検針に来たガス事業者であり、孤独死と同様だった点にも驚かされます。

司法解剖の結果、死因はいずれも低栄養状態による低体温症。

母は昨年12月中旬に、娘は年末に、

それぞれ「飢え」と「寒さ」で死亡したとみられています。

札幌市中央区は、

高層マンションの建設ラッシュが続く住宅街です。

その傍らで「飢え」と「寒さ」で死亡する親子、何ともいたましい事であり、

私が「8050問題」を知るきっかけとなった事件です。

私の勝手なイメージですが、

「ひきこもり」とは10代後半から30代という認識がありました。

ひきこもり問題が多く見られた1980~90年代から30年程経とうとしています。

当然ながら、ひきこもりも高齢化しているのです。

政府も危機感を強めており、40歳以上を対象に実態の把握調査を開始しています。




私の友人は現在、50歳(男)で無職です。

70代後半の両親と住んでいます。

彼は数年前までサラリーマンとして働いていました。

今はひきこもりと同様、生活は両親に頼っています。

両親を病院に連れていったり、食事や掃除等も彼が担っています。

両親からすれば、身の周りの世話をしてくれる介護的役割を立派に果たしています。

ただ、8050問題の当事者となる予備群です。

8050問題は、けして「ひきこもり」だけの問題ではないことです。

親と同居し、生活を親に頼るものが8050問題の対象になるものと考えます。

今年の7月、

ひきこもりの息子(55歳)が、父親(87歳)の首などを刃物で複数回刺したとして、

殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されました。

この事件は息子自身の119番通報で発覚しています。


8050問題は、

親子の関係性にも関わる問題であり、根深いものがあります。

友人の彼も、親との生活上の不満をよく聞かされます。

生活を親に頼る反面、その生活には不満が多大にあるようです。

彼がわがままに思える人もいるでしょう。

しかしながら、両親である高齢者との同居生活は息子ですら大変なものです。

ネット上で介護の仕事は、「きつい」「汚い」「給料が安い」3Kと言われています。

彼は今、住み込みで24時間、介護の仕事をしているのと同じです。

この仕事から解放された時、彼は真の「8050問題」に直面することでしょう。

世間で言われる「人生100年時代」であれば、

今後「9060問題」「10070問題」という言葉も聞かれるようになるかもしれません。


けれども、彼に心配は不要です。

なぜなら、彼には私がいます・・・・

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